地理
熊本県天草市の牛深町(うしぶかまち)は、熊本市から車で約3時間。天草諸島の最南端に位置します。
牛深の水産業の中心となる牛深港は、三方が海。天然の深い入り江を持ち、良港としての条件がそろっています。「沖合漁業」を中心に、天草地方の重要な漁業基地として発展してきました。
真鯛やキビナゴ、紫ウニなど、水産物は多種多様。新鮮で高品質な品を、日々、日本全国へ送り出しています。
漁業だけでなく、牛深の景観も魅力の一つ。
海底が見える場所があるほど、抜群の透明度を誇る海。県内最長の全長883mを誇る「牛深ハイヤ大橋」。そして山頂から水平線を望む眺めが絶景の「六郎次山」。こうした牛深の風景が、観光客らの心を癒やしています。
食、旅、様々な角度から楽しむことができます。
文化
無形民俗文化財に指定されている「牛深ハイヤ節」。牛深に伝わる伝統芸能で、歌詞には、牛深の女性が船乗りの身を案ずる気持ちが込められています。全国のハイヤ節のルーツとして知られており、その歴史は江戸時代後期まで遡ります。
牛深ハイヤの「ハイヤ」とは、出港して北上する際に欠かせない「ハエ(南風)」が語源。「ハエ」が「ハエヤ」となり、そして「ハイヤ」になったと考えられています。
現在でも多数のハイヤ節の関係団体が存在。伝統的なハイヤ節はもちろん、創作ハイヤ節も作られ、「生きた文化」として脈々と受け継がれています。
牛深ハイヤ祭り
牛深を代表するイベントである「牛深ハイヤ祭り」は、毎年4月に開催。当日は市内外から多くの観光客が詰めかけ、大変にぎわいます。前身となる「みなと祭り」の開催から、実に40年以上の歴史を持つ、全日程3日間に及ぶ一大イベント。ハイライトは、約3,000人の参加者が中心街を練り歩く、「ハイヤ総踊り」です。
ほかにも、大漁・海上安全祈願祭や魚供養祭、漁船による船団パレード、特産品販売を行う「牛深名産ハイヤ市」、各種ステージーー。日程あわせて、牛深各地で様々な催しものが行われ、牛深が大きな盛り上がりを見せる3日間です。