今回は一番人気の「牛深大漁セット」が出来るまでの流れをご紹介いたします。

牛深水産株式会社は天草牛深の天然活魚を中心にたくさんの魚介類を扱っております。

「牛深大漁セット」は、旬の鮮魚を熟練の技で新鮮なまま全国に発送している目玉商品です。

現在、名古屋でくまもと酒場を経営している池田大樹さん。

もともと牛深生まれという事もありますが、地元牛深の魚を当社よりお取り寄せ頂いております。

牛深水産では、全国各地に牛深大漁セットをお届けしていますが、現在は国境を越え、香港にも発送しています。

それだけ牛深の魚の評価が高いことの証左として大変うれしく思っております。

では、その作成過程をひとつひとつ見ていきましょう。

1.ポイントは年間を通して一定温度に保った生け簀!丁寧に牛深の天然活魚をあげる

当日の朝、水揚げされセリに出された鮮魚は、鮮度を保つために年間を通して一定の温度に設定された生簀で管理しています。

生簀を元気に泳ぎ回る活魚に狙い定め、スピーディにかつ丁寧に網ですくいます。

魚は生け簀の中を自由自在に泳いでいます。網の気配にとても敏感なのです。

網が近づくとすっと避けて逃げていくことも多いです。

なので、しっかり肩の力を抜いて、気配を消して、狙いを定め、構える。

そして、狙ったポイントにきたときに、一瞬の集中力を発揮して、サッとあげる。

意外にというか、かなり難しいのです。

入社したての新人は魚をあげることすらままならないのです。

どうですか?この真剣な眼差し。

あと、ついでにもうひとつご注目いただきたいところが床ですね。

清掃には特に力を入れていますので、常に清潔な状態を保っています。

床も生け簀の側面も常にピッカピカな状態を保つよう日頃から努力しています。

狙った牛深産天然鯛を網ですくい上げたところです。

どうですか?この満足そうな表情。

2.秒速で活き締めする。

すくい上げた牛深産天然鯛をスポンジの上に丁寧におきます。

2.1 脳みそを一撃必殺

ちょうど目の左上あたりに魚の脳がありますので、手鉤(てかぎ)で一撃必殺します。

これは魚が苦しまないようにということと同時に、魚がバタバタのたうち回って体内に血が回らないようにするためです。

狙いをつけ一発で仕留めます。

2.2 エラを掻き切って血抜き

脳みそを一撃必殺したあとはエラを掻っ切って血を抜きにかかります。

ここでどれだけ血を抜けるかで、魚の鮮度や身質も変わってきます。

スポンジが汚れているのはたくさんの魚の血によるものです。

この脳みそを一撃必殺からの血抜きまで1〜2秒です。まさに「秒殺」するわけです。

この速度が魚を痛めず、品質を守るために大切なのです。

3.魚の鮮度を保つため神経締めする

神経締めは魚の鮮度を長く保つために行います。

人間もそうですが、魚も死ぬと死後硬直が始まり身がカッチカチに固くなりだします。

死んだという情報が脳から神経を伝わって魚体内にまわって伝達されていくわけです。

なので、その神経の中枢の背骨の脊髄に金属棒をゴリゴリ入れて中枢神経系を破壊するのです。

そうすると、魚体の末端まで「死んだ」という情報がまわらず、生きてると勘違いした状態が続くので、死後硬直を遅らせる事ができるのです。

天然鯛の場合は鼻から入れていきます。

鼻から入れにくい場合は目と目の間の眉間に穴を開けることも多いです。

この神経を通せるか通せないかというのはまさに熟練の職人技です。

一朝一夕で身につくものではありません。

指先の微妙で繊細な感覚と神経棒を通すときの魚の反応だけが頼りです。

きちんと神経を通せていると魚がビクビクっと反応するのですが、それが相当難しいのです。

ちゃんと神経を通っている感触が確かめられたら、一気に尾っぽの先まで神経棒を通していきます。

魚の身はまだ活きていると錯覚させるわけですね。

以上が魚を締めるところになります。

4.魚を綺麗に丁寧に梱包する。

まず発泡スチロールを用意します。

クラッシュアイスをビニール袋に入れ、さらにもう一枚被せたものを底にひきつめます。

氷を二重でビニール袋に入れるのは、輸送中に溶け出しても水が漏れないようにするためです。

輸送会社さんはもちろんの事、魚も水は大敵なのです。

敷き詰めた氷袋の上にグリーンパーチという防水紙を敷き詰めます。念には念をいれて水対策します。

そして、その後、魚をきれいに並べ、クリアパーチというビニールを被せます。

今回詰め合わせた魚は左上からチヌ、クロ、イサキ、ハンタ、羽カツオ、上ゴマアコウですね。

羽カツオ以外はギリギリまで当社の生け簀で泳いでいた魚ばかりです。

ものの数秒で活き締め、神経締めした魚なので、鮮度抜群!鮮度長持ちします。

その後、また二重袋の氷を上から敷き詰めます。

グリーンパーチをさらに上から被せます。

運送会社の送付状を荷物の上に貼って完成です!

当社は日通さんの航空便を使っておりますので、全国各地へ翌日お届けすることが可能になります。

当日朝に天草牛深の港で揚がった天然活魚が、生きたまま活魚車で運ばれて当社に届くのが昼。

それからご注文の魚を締めて、夕方の飛行機に載せて、翌日にはお客様のもとへと運ばれていきます。

鮮度保全についても、活き締め、神経締めを施し、輸送時にも上にも下にも氷を敷き詰めて、湿度と温度の両方バランス良くベストの形でお届けしております。

以上が牛深大漁セットを作るまでの流れとなります。だいぶイメージしやすくなったのではないでしょうか。

いかに牛深の新鮮な魚を鮮度を保ったままお届けできるかに魂を込めている模様をお届けしました。

ただ詰めて、発送するのではなく、

熟練の技術で手間ひまかけて新鮮な魚を発送できるよう、日々技を磨いています!