頑丈な貝殻の鎧をまとった夜泣き貝
今回ご紹介する天草牛深で採れる貝は「夜泣き貝」。
この細長く渦巻く貝が、夜泣き貝です。ナガニシとも呼ばれます。
貝の中身を取り出して刺し身で食べることが多いそうです。
熊本でもなかなかお目にかかかる事がありません。
調べたところによると、広島の食卓で大変ポピュラーなのだそう。
巻き貝は、先端のとがった楊枝のようなもので中身を取り出すことが多いのですが、夜泣き貝はそれが難しく、ハンマーで貝殻ごと叩き割るしかないそうです。
ワタにはエグみがあるので、取り除き足の部分を刺し身にします。コリコリとした食感でしっかりと貝の風味が味わえます。
初めてこの夜泣き貝を食べようと思った人はどんな状況だったのでしょうね?
船が難破してようやく無人島までたどり着いた。もう三日三晩なにも食べてない。
無人島に生息していた食べられそうなものは全て食べつくした。
それでもお腹が減る。とにかく食べるものは何かないだろうか?
。。。
割ったら身が出てくるかも。食べられるかも。一縷の望みをもって割ってみよう。そして勇気をもって食べてみよう。
いや、食べるしかない。よし、食べるぞ。
そんな心境だったのでしょうか?
ナマコを初めて食べた人も同じくですが、人間の可能性を拓く力には恐れ入ります。
夜泣き貝の名前の由来は?
子供が夜泣きしたときの薬として用いたという説や、
夜泣きしてる子供の横に貝を置くと泣き止んだとういう説があります。
どちらにせよ、由来は子供の夜泣きのようです!
夜泣き貝の旬と気になるお値段は?
旬は秋~春です。
そもそも一般的に出回っておらず、相場を見つけることに苦労します。
広島では高価で取引されているとの話もありますが、キロ1000~1500円前後といったところでしょうか。
入荷状況につきましては、毎日更新している
「本日の水揚げ情報」からご確認ください。
「熊本 夜泣き貝」で検索して出てくる神社の御神木のなかに生息する(らしい)貝とは別物
「熊本 夜泣き貝」で検索すると、珍スポットとして津森神社や弓削神社の記事が出てきます。
それぞれの神社にある御神木の中に貝が生息しており、それらを子供の枕の下に入れておくと、夜泣きがおさまるという言い伝えがあるそうです。だから、「夜泣き貝」と呼ばれているそうです。
が、調べてみると、それらは「カタツムリ」の仲間だそうで、今回ご紹介している夜泣き貝(ナガニシ)とは言葉こそ似てはいますが、全く非なるものなので、見つけることができたのしても、決して貝殻を割って食べようとはしないでくださいね。
夜泣き貝の美味しい食べ方 「夜泣き貝の味噌汁」のレシピ
材料(2〜3人前)
- 夜泣き貝 5個
- 味噌 適量
- 昆布 3センチ角1枚
- 乾燥アオサ 適量
作り方
- 夜泣き貝は流水でよく洗う。
- 鍋に水を張ってダシ昆布を入れ、夜泣き貝を煮る。
- よく沸騰させてダシに貝の旨味を移す。同時にアクも取る。食べやすいように殻より身を半分ほど引き出しておく。
- 十分にダシが出たら味噌を溶き入れて完成。食べる直前に乾燥アオサを散らしてお召し上がり下さい。
こちらもおすすめ! 「夜泣き貝の酢味噌和え」
材料(2〜3人前)
- 夜泣き貝 5個
- 万能ネギ 1/2束
- 酢味噌 大さじ5(市販品で可)
- 練りからし 適量
作り方
- 夜泣き貝は、鍋に水を張って火にかけ、下茹でする。十分に火が通ったらおか上げし、冷まして身をくり抜いておく。
- 万能ネギも下茹でし3センチ幅にカット。くり抜いた夜泣き貝と一緒に混ぜ合わせる。
- 酢味噌に練りからしを混ぜる。混ぜ合わせた夜泣き貝と万能ネギに加え、下味とする。
- 器に盛り、酢味噌を上から掛けて完成。
牛深産の新鮮な海の幸を味わいたい、楽しみたいという方はぜひ!